物質の成り立ち②(硫化鉄と、酸化銅の還元)

中2化学分野





こんにちは!ばっしーです!(^^)/
 
 
前回からスタートした2年生の内容ですが
化学の分野、物質の成り立ちについてです(^^)b

ここは少し範囲が広くなってしまうので、『物質の成り立ち』は前回と今回の2回でまとめています。

前回は酸化銀、炭酸水素ナトリウム、水の電気分解についてやりましたので
今回は硫化鉄、酸化銅の還元についてやります!
 
 
一緒に載せている学習プリントのKYD!(これさえやっときゃー大丈夫!)プリントも、ぜひ取り組んでみてくださいね(^^♪

はじめに確認

今回の指導要領の改訂で、いくつかの重要語句が削除されました!

生徒は「やったー!覚える語句減ったー(^皿^)」って感じるでしょうが、非常に簡単な語句たちです(^^;)
 
 
教える方としては、結構大変で
「短く言えるのに、いちいち長い言い回しをしなくちゃいけないのかー( ;∀;)」って感じです。
 
 
ブログで書くと、長い文章になり、かなり伝わりにくくなるなと感じます…
 
 
なので、ここで紹介しておきますので、覚えてください!!(^^;)

出典:諌山創「進撃の巨人」より

エレンもびっくりですが大丈夫!非常に簡単です。
2語だけです(^^)/
 
 
まずは化合
物質どうしが結びつくことです(^^)
 
 
例えば「水素と酸素は結びついて水」になりますよね?

水素と酸素が『化合』するわけです。
 
 
銀と酸素が化合すれば、酸化銀になるし
炭酸ナトリウムと二酸化炭素と水が化合すると、炭酸ナトリウムになるわけです(^^)
 
 
 
次に酸化
酸素と化合することです(^^)
 
 
先ほどの例で「水素と酸素は結びついて水」になりますと書きましたが

水素が『酸化』して、水ができるわけです(^^)
 
 
銀が酸化して、酸化銀になり
炭素が酸化して、二酸化炭素になります(^^)/
 
 
 
金属において酸化というのは、さびることです。

例えば銅なんかはすぐさびて、黒ずみますよね?(^^;)
銅が酸化して、酸化銅になっているわけです!
 
 
他にも、さびた鉄は「酸化鉄」、さびた銀は「酸化銀」です(^^)

逆に考えると、酸素がなければ、さびないということですね(^^)/

鉄と硫黄の混合物を加熱する実験

加熱直前まで

これはチョーくさい!びっくりするほどくさい実験ですね!!( ;∀;)
実験すると盛り上げること間違いなし!忘れられない思い出になります(^^;)
 
 
まず、鉄はこちら!

鉄の性質は、金属につくということ。
金属なので、塩酸に入れると水素が発生するということが挙げられます。

続いて硫黄です!

よく硫黄というと、「クサイ!」といわれたりもしますが、実は硫黄自体は無臭です(^^)

火山や温泉などで匂う、『卵がくさったようなにおい』というのは、実は硫化水素のにおいなのです(^^)/
 
 
あの独特なくさいにおいは「腐卵臭(ふらんしゅう)」と呼ばれます!
そのまんま、「腐った卵の臭い」というわけですね(^^)
 
 
この実験では鉄粉(1.4g)と硫黄(0.8g)を乳鉢、乳棒でよくかき混ぜます。

そのうち1/4をアの試験管に入れ、3/4をイの試験管に入れます。
アはこのまま何もしないのですが、イの方は加熱します。
 
 
なぜアの試験管を作るかというと、加熱後の物質(イの方でできた物質)と比較するためです(^^)
 
 
だから生成する硫化鉄は、約1.65g程度になります!

量的にはわずかなんですが、それでもくさいですよね~(^^;)

加熱中~

さて、イの方は、写真のように装置を組み立て、上部を加熱します。

しばらくたつと、加熱部分が赤くなります!
赤くなったら炎を遠ざけ、すぐ加熱をやめてください!(^^)!
 
 
なんとこの実験、加熱をやめても反応が進んでいくのです!

これは、鉄と硫黄が反応するときに、光と熱を出すからです!
自ら出した熱によって、炎で加熱しなくても、次から次へと反応が続いていくわけです( ゚Д゚)


このように、加熱をやめてもちゃんと全て反応しきりました(^^)/
 
 
このような反応を発熱反応といいます!
発熱反応は実はそれほど珍しいものではありません(^^)

先ほど書いた、鉄と塩酸の反応も、なんと発熱反応なのです(^^)/
触ってみると熱いですよ~

加熱後

この実験によってできた物質は硫化鉄といいます。

もちろん硫化鉄は、とも、硫黄とも全く違うものです。
 
 
実際に比べてみましょう!

写真のように、磁石につきにくいです。

左が鉄・硫黄の混合物であるアの試験管。
右が反応させてつくった硫化鉄、イの試験管です!

鉄は磁石に付きますから、比べると違いがわかりますね(^^)/
 
 
 
次に、塩酸を入れます!
鉄・硫黄のアに入れると発生するのは…

当然水素ですね!

先ほども書きましたが、鉄と塩酸の反応で、水素が発生します(^^)
 
 
一方、硫化鉄に塩酸を入れると、発生するのはなんと硫化水素です!

前述のとおり、あの超~クサイやつです( ;∀;)
 
 
くさいので盛り上がりますが、一応有毒ですので、においすぎはやめましょう(^^;)

においをかぐときは『手であおぐようにかぐ』ですね!
換気もしっかりと行いましょう(^^)/
 
 
 
他にも硫化鉄は、電流を通さないけれど、鉄と硫黄の混合物の方は鉄が入っていますので、電流を通します。

鉄・硫黄と硫化鉄というのは、全く別の物質であるということがわかりますね(^^)
 
 
 
ちなみに、物質が硫黄とくっつく(化合する)ことを硫化といいます!
また、硫化してできた物質を硫化物といいます。

今回は鉄を硫化させ、硫化鉄という硫化物を作ったわけですね(^^)/
 
 
 
まとめると、今回起こした化学反応は「鉄 + 硫黄 → 硫化鉄」です!

化学反応式で書くと「Fe + S → FeS」となります。
 
 
 

(ちょこっと補足)銅と硫黄の反応

補足ですが、銅も硫黄と反応します。
常温でも反応するし、加熱すると激しく反応します!
 
 
生成する物質は『硫化銅』となります(^^)
 
 
「銅 + 硫黄 → 硫化銅」と書け
化学反応式で書くと「Cu + S → CuS」となります!
 
 
銅が硫化し、硫化銅という硫化物が生成するわけです(^^)/

酸化銅を炭で還元する実験

加熱まで

続いては酸化銅と炭を混ぜ、加熱する実験です(^^)/

酸化銅がこちらで( ..)φ

炭がこちらです(^^)/

どっちも黒い!(^^;)
特に炭は、手に付くと、手まで真っ黒です...
 
 
これらを混ぜて、加熱します!

この反応は酸化銅 + 炭素 → 銅 + 二酸化炭素の反応です!
化学反応式で書くと『2CuO → C + 2Cu + CO₂』ですね(^^)

二酸化炭素が発生するので、下の写真のような装置を作ります(^^)/

写真のように、管の先には石灰水を入れておきます。
こうすることで、発生した二酸化炭素が、石灰水を白くにごらせます(^^)/
 
 
実際に実験してみると、下の写真のような感じで白くにごりました!

白くにごっていますね!
二酸化炭素が発生したことがわかります(^^)

加熱をやめてから

加熱をやめる前に、ゴム管の先を石灰水から抜いておきましょう(^^)
この実験だけではなく、加熱の実験ではいつものことですね!
 
 
抜いておかないと、石灰水が逆流してしまいますので、最悪試験管が割れます(^^;)
 
 
「なぜ割れるのですか?」とたまに聞かれることがあったので、詳しく書いておきますね!
ただ、ここまで詳しく問われるテストはなかなかないと思いますが…

必要なければ飛ばしてください…(^^;)
 
 
割れるまでの流れとしては

試験管が割れるまでのストーリー
① 加熱をやめると試験管内が冷える
② 冷えると試験管内の気圧が下がる
③ 気圧が下がると、試験管内に空気を吸い込もうとする
  (下がった気圧を戻そうとする)
④ 石灰水が吸い込まれる
⑤ 常温の石灰水が、試験管内の熱い加熱部に触れる
⑥ 加熱部が一気に冷える
⑦ ガラスが一気に冷え、縮む
 (熱いものは膨張し、冷たいものは収縮するため)
⑧ 縮む力に耐えられず、ガラスが割れる

 

というかんじです!
長いストーリーになりましたね(^^;)
 
 
本題とは少しそれましたね…
スルーしてもいいと思いますが、知っておいて損は絶対にありませんよ!(^^)/
 
 
 
加熱後、残る物質(できる物質)はです。

銅は、すぐ酸化してしまう(サビる)ので、加熱をやめた直後には、ゴム管をピンチコックでとじましょう。

ピカピカの10円玉って、なかなかないですよね?
銅はさびやすいからです(^^;)
 
 
せっかくできた銅ですが、空気が試験管内に入ってくると、また酸素とくっつきます(サビます)。
そしてまた酸化銅(サビた銅)に逆戻りです…(^^;)
 
 
それを防ぐためにピンチコックで、気体が入ってくるのをブロックします(^^)/

ピンチコックとは、こちら!

これでゴム管を閉じましょう(^^)/
空気が入ってこなくなります。
 
 
 
では銅を取り出しましょう!

写真のように、加熱後の物質を水の中に入れ、かき混ぜます。

かき混ぜると、軽い(水より密度が小さい)炭は浮きます!
反対に重い(水より密度が大きい)銅は沈みます。
 
 
これで炭と銅が分かれました(^^)
底に残ったものがになります!
 
 
炭の部分はいらないので捨ててしまいましょう(^皿^)

水と一緒に炭を流し、沈んでいる銅だけ残します。
 
 
 
銅の特徴は赤色の固体ということ。
それからこすると金属光沢を生じるということです(^^)
 
 
写真のように、赤色をしていますね!

ろ紙かなんかに取り出して、乳棒でこすると…

きらきら光りだします!
銅は金属ですので、金属光沢がありますね(^^)/
 
 
「赤色」、「金属光沢」という性質を確認することができました。

酸化と還元

先ほど、この実験は酸化銅 + 炭素 → 銅 + 二酸化炭素だと書きましたが
銅に注目すると、『酸化銅 → 銅』となっています(‘ω’)

化学式で書くと『CuOがCu』になっているわけです。
 
 
酸素がくっついていた(化合していた)銅から、酸素が取れていますね!
 
 
このことを還元といいます(^^)
だからこの実験では、酸化銅が還元されて、銅になっているということですね!
 
 
 
一方、炭素に注目すると『炭素 → 二酸化炭素』となっています(‘ω’)
化学式で書くと『CがCO₂』になっているわけです。
 
 
炭素に酸素がくっつきましたね!
 
 
このことを酸化といいます(^^)/
この実験では、炭素が酸化して、二酸化炭素になっているということです!
 
 
 
このように、酸化還元はセットで起きます!
 
 
何かが酸化されれば、同時に違う何かが還元されているわけです!(^^)!
 
 
今回は炭素酸化した代わりに、酸化銅に還元されています。

炭素の方が、銅よりも酸化されやすいという性質をもっているため、今回のような反応を起こすことができるのです(^^)/

(ちょこっと余談)鉄の精錬

私たちの生活には、実は還元はなくてはならないものなのです!(・∀・)
 
 
代表的なものが製鉄
鉄をつくるということです(^^)
 
 
鉄を作るためには、まず鉄鉱石という鉱石を掘ってきます!

鉄鉱石は、主にオーストラリアやブラジルから運ばれてきます。
100%の輸入依存度で、完全に輸入に頼っている状況です(^^;)
 
 
それにコークス(炭素)を加えます。

溶鉱炉の中で加熱し、鉄を取り出すのです!
 
 
 
この実験とまさに同じ!
酸化鉄 + 炭素 → 鉄 + 二酸化炭素の反応を起こすのです(^^)/
 
 
だから鉄を作るときには大量の二酸化炭素が発生します(‘_’)
 
 
地球にとってあまり喜ばしいことではありませんね。

実際、日本全体の年間の二酸化炭素排出量のうち、十数パーセントは製鉄によって出されているそうです(*_*)
 
 
製鉄会社も、もちろん排出の削減に努めていますが、近年は削減量も頭打ちになってきているようです。

大きな技術の革新がないと厳しいようです…
 
 
私たちの身の回りには鉄でできたものがたくさんありますが、大事にしていかなくちゃいけないですね!

KYD!プリント

今回もちょっと長くなりましたが
学習プリントのKYD!(これさえやっときゃー大丈夫!)プリントには大事な出るとこだけギュッ!とまとめています!
ぜひご活用ください!(^^)/

【問題プリント】
KYD② 物質の成り立ち②

【解答】
KYD② 物質の成り立ち② 解答

 
 
KYD!プリントの使い方については、私のオススメの方法を
KYD!プリントについて&利用規約
に書いていますので、参考にしてください。
 
 
良いなと思ってもらえたら、人に紹介して頂いたり、ブックマークをして頂けると幸いです!
読んで頂きありがとうございました!(^^)/

コメント

タイトルとURLをコピーしました